タイの社会保険
タイでは、従業員を社会保険へ加入させることが義務付けられています。保険料は、750バーツを上限として、月給の5%を会社と従業員が負担します。日本人の場合、ビザ取得の要件である最低賃金が50,000バーツであり、最低賃金で上限に達するため、みなさん毎月750バーツが給与より天引きされています。
この社会保険には、健康保険や失業保険、出産手当など幅広い保障が含まれています。健康保険では、指定された公立病院で無料で治療を受けることができます。しかし、社会保険の指定病院は、タイ語での対応が求められるなどタイに住む外国人にとっては利用しづらいのが実情です。
勤務先企業の福利厚生
福利厚生の一環として、医療保険に加入できる企業も。ただし、保障内容は企業によって大きく異なるため、医療保険に加入できるのか、保障内容はどんなものなのかはしっかり確認し、自分にとって十分な保障内容であるか検討できると良いでしょう。
参考までに、日本語通訳サービスのあるバンコクの私立病院で食あたりの症状で受診した場合の治療費は、薬代込みで約3,000バーツです。私立病院は自由診療となり、治療費を独自に設定できるため、高額になります。
民間の医療保険に自分で加入する
タイの社会保険や勤務先で加入できる医療保険では保障内容が不十分と感じる場合は、自分で民間の医療保険に加入することをおすすめします。タイにも様々な保険会社の保険プランがありますので、保険料や保障内容を比較しながら選ぶと良いでしょう。
日本の保険会社が用意している海外旅行保険の中には、現地採用を対象としたプランもありますが、タイの医療保険と比較すると保険料は高めの設定となっています。
日本の国民保健に加入し続ける
日本の国民保険に加入し続けている場合は、海外療養費制度によって、海外で支払った医療費の還付を受けることができます。
ただし、支給金額は、日本国内で同じ治療をした場合の治療費を基準に計算した額になるため、自己負担金が大きくなる可能性があります。また、後から還付を受けることができますが、一度医療費を全額支払う必要があったり、日本では保険適用外の治療や薬を使用した場合は対象外になるなど注意が必要です。
そもそも、1年以上海外で生活する場合は、国外転出届が必要となり、国民健康保険からも脱退するとされていますので、自分が国民保険に加入資格があるのかも調べてみると良いでしょう。
まとめ
タイには、日本語通訳サービスのある病院が多数あり、安心して受診できる反面、医療費は高額になる傾向があります。日本の手厚い保険制度の対象から外れてしまう際には、タイの医療保険も活用しながら、もしもの時に備えられると良いですね。