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タイへの転職 体験談
タイへの転職のプロセスや、その後のキャリアや生活は様々ですが、実際に経験した人の話は参考になりますよね。ここでは、実際に日本からタイに転職した方の体験談を一例としてご紹介します。
※新型コロナウイルス流行前の転職活動と、現地企業勤務の体験の一例です。
前編:日本から海外・タイへの転職活動
日本からタイに転職したAさんの体験談です。前編では、日本での転職活動から渡航までのお話をご紹介します。
ー転職活動のきっかけはなんですか?
大きなきっかけがあった訳ではないのですが、環境を変えて新しいチャレンジをしたかったのだと思います。
新卒から同じ会社にずっと勤めていました。いくつかの部署や職種を経験しましたが、ふと自分がこの会社だけでしか通用しないスキルしかないのではと、不安に思うことが増えました。この会社で、やりたいことがなくなってきたこともありました。
このタイミングで一度会社を飛び出し、自分のキャリアとスキルを上げたいと考え、転職活動を始めました。
ーもとから海外で働くことに興味がありましたか?
ぼんやりとした興味はありましたが、優先順位は低かったですね。なので、始めは国内の求人を普通に見て転職先を探していました。
あるとき、日本にいる外国人留学生が、「日本や海外で働きたい!」と就職活動をしている様子を目にすることがありました。彼らが夢や希望を持ちながら、母国を離れて仕事を探している姿に、なんだかとても感化されて(笑)。それから、私も海外で働いてみたいと、強く思うようになりました。
ー語学に不安はありましたか?
英語教育に強い大学で勉強していたので、比較的英語に不安はありませんでした。でも仕事で実際に使うことはほとんどなかったのは、少し心配でした。タイ語も、旅行のときに少し覚えた程度です。
それもあって、英語圏で働くことは、相当努力やガッツが必要だなと感じていました。アジアや東南アジアであれば、英語力がそこまで高くなくても仕事や生活ができると知って、選択肢が広がりました。
ー実際の転職活動は、どのように進めましたか?
まずは、日本から海外出張する仕事や、海外と関わる仕事を探そうと、普通の求人サイトで情報を探してみました。あまりピンとくる求人がなかったので、日本の転職エージェントにも登録してキャリア相談や実際に求人を探してもらいました。
様々な求人にも応募し、面接を受けていく中で、次第に海外現地に移り住んで働くことに興味が変わっていきました。そこで、興味のある国の現地の転職エージェントにも登録し、転職相談を進めていきました。
最終的には、日本の転職エージェントから海外現地企業の求人を3、4件紹介してもらい、現在の企業に転職しました。応募のとき、英文レジュメの作成に時間がかかりそうだったので、週末などに少しずつ作業しました。Web面接も初めて経験しましたが、画像が荒かったり接続が途切れたりと、合格できるかドキドキしましたね。応募してから内定までは、2ヶ月程度で、振り返るとあっという間です。
ータイを選んだ理由はなんですか?
実はそこまでタイに思い入れはなく、積極的に選んだ訳ではなかったんです(笑)。
最初は、やはり欧米で働きたいと夢見ていました。残念ながら、自分の経験や語学力では、そもそも仕事に就けず就労ビザの取得ができない国がほとんどでした。
転職エージェントから、東南アジアは比較的就労ビザが取りやすいと、紹介されました。各国の様子や求人を見ていく中で、タイでの生活や仕事が自分には合っているように感じました。シンガポールやマレーシアほど都会ではなく、ベトナムやインドネシアほど発展途上でもない、ちょうどいい具合の国というか(笑)。
何度か旅行でタイに行ったことがあり、現地の様子やタイ人の雰囲気を少しでも知っていたことで、親近感もありました。日系企業が多く働きやすいという環境や、日本のものが手に入りやすいという情報も大きかったですね。
ー転職先の決め手はなんですか?
当時、日本にいながら外国と関わる仕事と、タイの現地日系企業での仕事と、最終選考が並行して進んでいました。
正直、このまま安定した日本で働くか、思い切って現地で働くか、とても迷っていました。初めての転職だったので、失敗したくない気持ちもありました。
ですが、次第に30代ならまだ大きなチャレンジができ、失敗してもやり直しが効くタイミングだと思うようになりました。チャレンジしないで後悔するよりは、チャレンジした方が何かした得るものもあるだろうと。大きく環境を変えて、よりスキルアップしたかったこともあり、日本からタイに移住して働くことを決断しました。
ー退職から渡航までの準備は、どのように進めましたか?
6月末にタイの企業から内定のお話をいただきました。まだ内定書は取り交わしていなかったのですが、ちょうど上司から異動の内示があったため、迷惑をかける前にその場で退職したい旨を伝えました。1ヶ月後の7月末退職で話を進め、8月2週目頃にタイ企業に入社というスケジュールになりました。
なので、退職と渡航準備を約1ヶ月で行いましたね(笑)。
仕事は幸い区切りのいいタイミングだったので、引き継ぎなども大変スムーズでした。海外に転職する人は稀な会社だったので、同僚からは前向きに応援され、大変ありがたかったです。有給休暇も消化もできたので、ビザ手続きや役所での手続きもしやすかったです。
私生活では、アパートの引き払い、実家への引越し、友人との送別会などで忙しかったです。わずかな空き時間には、タイ現地の情報を調べたり、英語を復習したりしていました。
ー渡航後、勤務開始までどのように過ごしましたか?
最初の1週間程度は、会社近くのホテルに滞在していました。渡航してから出社までは2、3日しかなかったので、あまり準備はできませんでした。
初出勤日は、とても緊張しましたね。名前くらいはタイ語で自己紹介できるようにと、ホテルで練習したのですが、タイ人の同僚たちは英語が上手だったので、ずっと英語で話していました。翌日からは早速日本人社員から引き継ぎや客先訪問も始まり、すぐに忙しい毎日となりました。
転職活動は人それぞれ
Aさんの転職活動の様子をご紹介しました。転職活動の捉え方や進み方や人それぞれです。様々な選択肢や考えがある中で、自分にとってベストな転職活動ができるといいですよね。
後編では、Aさんが実際にタイで働き、生活している様子をご紹介します。